酒井重工業 ~名機タイヤローラTS7409のレストア作業~
はじめに
2018年に創業100年を迎えましたが、その時代その時代で当社にとって記憶に残る製品があります。
中でもタイヤローラTS7409は、1970年から1983年にかけて累計6784台が販売され、2020年現在でも東南アジアでは活躍しており多くのお客様に愛されている名機です。 主な販売先は日本国内のみならず アジア、中南米、中東、アフリカでした。これから道路を作る国、主要交通網を作る国、高速道路を作り始める国、交通網をさらに充実させる国まで本当に多くの国と地域に日本から旅立っていきました。
どのくらいの道路を作り、整備してきたか物言わぬタイヤローラTS7409から聞くことはできませんが、「建設機械」として多くの方のより良い生活環境のために働き、その笑顔を生み、守ってきたと信じています。
当社は、1979年2月製造のタイヤローラTS7409を題材に【団結のシンボルとするべく】動態保存のレストア作業を企画しました。6784台の中の1台ですが遺していきたいのです。
レストア作業の記録をお伝えします。
2020年2月
当社グローバルサービス部に運ばれてきたタイヤローラTS7409は走行させることができせんでした。
ブレーキは利かず、車体は傾いていて、運転席周りの鉄板のサビが特にひどく、とても使える状態ではありませんでした。
これからすべての部品を分解し、再使用部品と交換部品に分類していきます。
2020年4月
レストア作業開始の前にメンバー紹介です。 代表7人で9月までにやり遂げます。
皆さんそれぞれの知識と経験を生かして、がんばりましょう。
すでにいくつかの部品が取り外されているのはご愛敬です。
なぜか補用部品在庫があった「SAKAI」の銘板プレート。これで在庫ゼロになったそうです。
この日のために待っていてくれたと考えましょう。
エンジンとギアボックスを下ろしました。 まさに心臓部であり、要となる部分です。
マニュアルトランスミッションで丈夫というのが、いまだ現役車両がある理由でしょうか。
大きく壊れていなければいいのですが、まずは分解と再調整を行います。
燃料タンクは腐食が激しく再使用はあきらめました。燃料が漏れたら大惨事です。
このTS7409の燃料タンクも作っていただいておりました株式会社タケノの社長様へ相談したところ覚えてくださっており、図面を見るまでもなく話が進みました。
本当に一つ一つ分解します。サビ落としと再塗装で使用できる部品、新しく購入する必要がある部品を選別中です。
メインフレームは、古い塗装とサビを全て落として再塗装します。
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最終更新:2020/12/0416:58