現場から・金杉建設など3社 3D締固め管理システム

2019/10/1110:19配信

【“中小企業連合”が挑む革新技術/「PRISM現場」を公開】
 中小企業連合が革新的技術に挑戦--。金杉建設(埼玉県春日部市、吉川一郎代表取締役)、アクティブ・ソリューション(横浜市、島村明代表取締役)、創和(千葉県船橋市、西尾貴至代表取締役)の3社が組成したコンソーシアムは10日、埼玉県幸手市の堤防工事現場で、従来より高精度・高密度にデータ収集し、信頼性を高めた「3次元(3D)締固め管理システム」の試行状況を公開した。見学会には国土交通省や建設業界の関係者ら多数が詰めかけ、新技術で品質管理を高度化する先駆的な試みを視察した。



ブルドーザーに搭載した システム機器

ブルドーザーに搭載した システム機器

見学会には発注者や業界 関係者が多数参加した

見学会には発注者や業界 関係者が多数参加した



 現場は、金杉建設が関東地方整備局江戸川河川事務所から受注した「H30幸手地区堤防整備等工事」。内閣府の官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)を活用し、国交省が実施する「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用プロジェクト」に採択された注目の新技術を導入、精度検証などを進めている。
 これまでの締固め管理システムは、GNSS(衛星測位システム)の移動履歴とアンテナ位置のオフセット機能により、「線」ベースで出来形データを取得。実際の施工現場で求められる傾斜補正や方向補正が不十分などの課題があった。
 新システムでは、方位出力が可能なGNSS受信機とIMU(慣性計測装置)による高精度姿勢補正に、簡易・安価なレーザースキャナーを組み合わせることで、高精度・高密度な3D出来形データを取得する。地盤データの取得範囲は、重機幅の約3-4倍になるという。
 プロジェクトでは、層厚管理を含めて「TS・GNSSを用いた盛土の締固め管理要領」に完全対応するほか、3D地盤データを施工と同時に取得し、リアルタイムに重機オペレーターとも共有。重機に搭載するレーザースキャナーの設置角度を変えることで、法面などの出来形計測への応用も目指す。
 現場では高精度の地上型3Dレーザースキャナーによる計測値との比較で、新システムのデータ取得精度を検証中。これまでのところ平均値では、要領に定められた垂直誤差プラス・マイナス30mm以内に収まっているという。
 昨年度は構成員、今回は幹事社として2年連続でPRISMプロジェクトに挑む金杉建設。吉川祐介専務は「われわれ中小企業には、研究開発に多額を投じる余裕はない。このような制度は大変ありがたく、中小こそもっと活用すべき」と指摘。i-Constructionのトップランナーとして「積極的に挑戦を続ける。少し気が早いが、いろいろな企業と相談しながら、来年やりたいことも考え始めている」と常に先を見据える。

最終更新:2019/10/1111:27

株式会社日刊建設通信新聞社

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